骨粗鬆対策5 骨粗鬆症とは?薬について
こんにちは(^^)
鮎田奈央海です。
母の腰椎圧迫骨折からリサーチをスタートした骨粗鬆症。
本日は基本のキ、骨粗鬆症症とは?と骨粗鬆症の薬について解説します。
骨粗鬆症とは?
骨が脆くなり、骨折しやすくなる状態を指します。
通常、骨は骨密度が高く、強度を持っていますが、骨粗鬆症の場合、骨密度が低下し、骨の組織が脆くなるため、日常生活の活動でも骨折のリスクが高まります。
高い場所から落ちて骨折することは若者でもありますが、立っている高さからの骨折は骨粗鬆症の可能性が高いです。
骨粗鬆症は、加齢とともに進行し、特に女性に多いです。
女性は、閉経後にエストロゲンの分泌が低下することで骨密度が低下しやすくなるため、更年期以降に骨粗鬆症の発症リスクが高まります。
なお男性にも骨粗鬆症はあります。
痩せている、アルコール摂取が多い、ステロイドを常用している、糖尿病、リュウマチなども男女ともにリスクを上げます。
まさに痩せている&アルコールが我が家の夫が該当し、このブログを書きならが怖くなってしまいました(^^;
骨粗鬆症がなぜ怖いかというと、骨粗鬆症の方が大腿骨骨折をした場合に、寝たきりになることが多いです。
骨粗鬆症が原因の大腿骨骨折となるのは80歳以上が多く、1年後に亡くなる方は20%という調査報告もあります。
また1回骨折した方は、2回3回と骨折リスクが上がることが調査でわかっていて、とにかく骨折しないことが大切です。
そのためには、骨はもちろん、筋肉の保持も大切で、バランス感覚も鍛えておくことがポイントとなります。
なお、骨折しやすい部位は以下の図のとおりで、閉経後骨粗鬆症の方では橈骨(手首)、背骨、上腕骨、大腿骨の順に多いです。
骨粗鬆症の種類
1.原発性骨粗鬆症
加齢とともに進行するもので、特定の病態や原因が特定されない場合が多いです。
閉経後の女性の場合はこちらに該当です。
2.続発性骨粗鬆症
特定の医療状態や薬物の使用が原因で起ります。
副甲状腺機能低下症や長期間のステロイド剤の使用など、糖尿病、リュウマチなどその他の疾患や薬物の影響で骨が脆くなる場合があります。
骨粗鬆症の症状は、骨折や身長の減少、背中や腰の痛みなどがありますが、初期段階ではほとんど症状が現れません。
母の場合も年齢の割には骨密度が高く、ただ帰省するたびに小さくなっているという認識はあったのですが、腰が痛くで起きれない、歩けないという症状が出てからの通院で発覚しました。
骨折する前に予防する!定期的な骨密度測定が重要です。
骨粗鬆の現状
骨粗鬆症患者は約1280万人と推定されているが、治療されているのは約200万人と推測されており、治療率や治療継続率が低いです。
少子超高齢化にともない、日本の高齢化率は急速に上昇し、2023年には65歳以上の割合は29%となりました。
さらに団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)となる2025年には、全人口の1/6が75歳以上となります。
後期高齢者の入院費(2020年)は、
悪性新生物(11.8%)
脳血管疾患(11.5%)
骨折(11.4%)
骨折は、7年間で56.1%も増加しており、今後も増加すると予想されています。
65歳以上の要介護が必要になった主な原因でも、下記のグラフのとおりで、
女性で、認知症(17.6%)の次に多いのが骨折転倒(15.4%)であり、骨折予防が健康寿命の伸ばすために重要です。
原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年改訂版)
一般社団法人 骨粗鬆症学会では、下記のとおりに定めています。
1.脆弱性骨折あり
椎体骨折または大腿骨近位部骨折あり
その他脆弱性骨折あり、骨密度がYAM80%未満
脆弱性骨折とは、立った姿勢からの転倒からの骨折のことです。
2.脆弱性骨折なし
骨密度がYAM70%以下または―2.5SD以下
YAM:若年成人平均値(腰堆20~44歳、大腿骨近位部20~29歳)
ー2.5SD以下=「平均値より標準偏差の2.5倍以上低い」
治療法は、骨密度を向上させるための薬物療法や食事&運動などの生活習慣の改善などがあります。
もちろん、食事&運動があっての薬物療法です。
本日は薬物療法について解説します。
骨粗鬆症の薬物療法について
日本で処方される薬の作用は大きく分けると下記のとおりです。
1.骨吸収=古い骨を壊すを抑えるもの
2.骨形成=新し骨を作るを促進するもの
3.カルシウム調整
4.骨の質を高めるものなど
薬、ホルモン剤、ビタミン、ミネラル剤などがあります。
下記の図に従って、薬の投入が決まります。
具体的に記載します。
1.骨吸収抑制剤(骨の破壊を抑える)
・ビスホスホネート系
リセドロン酸(商品名:アクトネル、ベネット)
ミノドロン酸(商品名:ボノテオ、リカルボン)
ゾレドロン酸(商品名:リクラスト)
・抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)
・SERM(女性ホルモン女性ホルモン受容体修飾薬)
2.骨形成促進剤(骨をつくる)
・テリパラチド・ロモソズマブ・アバロパラチドなど
・副甲状腺ホルモン製剤
3.カルシウム代謝調節
・カルシウム製剤
・活性型ビタミンD3製剤
4.骨基質の改善
ビタミンK2
薬の作用基準について
・ビスフォスフォネート(BP: bisphosphonate):破骨細胞に取り込まれることで、破骨細胞(骨を壊す)を抑制する。
・抗RANKLモノクローナル抗体:破骨細胞への成熟過程で重要なRANKLへの抗体(邪魔をする)で、破骨細胞(骨を壊す)への成熟を阻害する。
・SERM(selective estrogen receptor modulator):エストロゲンはOPG産生(骨粗鬆症や骨転移などの骨関連疾患に関連するタンパク質で、骨吸収(骨を壊す)を抑制する)を促進するが、更年期以降分泌は下がる。
SERMは骨・脂質代謝のエストロゲン受容体にだけ作用することで、骨吸収(骨を壊す)を抑制するが、子宮内膜へは影響を与えない利点がある。
・骨形成促進剤(骨をつくる):いずれも骨芽細胞による骨形成を促進して、骨粗鬆症の骨量(骨密度)を増加させ、骨強度を改善して骨折を抑制する。
・副甲状腺ホルモン製剤:副甲状腺ホルモンは骨吸収(骨を壊す)に作用するホルモンだが、副甲状腺ホルモンを間欠的に投与すると骨芽細胞の分化が促進され骨形成(骨をつくる)を促す作用がある。
薬の副作用について
なお、薬は副作用が出ることがあります。
消化器系の問題、骨壊死、腎機能の悪化、血栓症、低カルシウム血症などの可能性があります。
特にビスフォスフォネート製剤の顎骨壊死は気になるところです。
薬には人によっては副作用が出たり、長期使用は難しいものあります。
医師の指示に従い、副作用が現れた場合は、速やかに医師に相談することが重要です。
自身が骨粗鬆症であることに気が付いていない、気が付いているが放置している方が多い中で、薬での治療が役立つ方もいらっしゃるかと思います。
骨折してからの発覚の前に、まずは現在地=ご自身の骨の状態を確認してほしいです。
そして、薬は副作用の可能性もあるので、
骨活も、基本は普段の食生活や生活習慣(要適度な運動)を整えることが大切です。
次回は、骨活のための栄養について解説します。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。